31年間生きて来て
私がかつてどうしても欲しいと思ったのに、
手に入れられなかったものを思い返すと、
せつなくなるなあ。
そしてそれはこれから先も永遠に手に入れられないであろうから
更にせつないなあ。

お金があればっていう単純明快な結論なら、
そらおめぇがもっと働けよ、ってことになるのだけど、
そうじゃないものはどうしたらいいのかね。
「思い出のマーニー」の予告で、
「私はその円の外側にいる」
みたいなくだりがあって、
それはもうもう5年くらい前からずっとそんな感じである。
たいへんもやっとしたその円の向こう側に、
わたしは一生行けない。
たびたびその円の中へ呼んでくれるときがあるのだけど、
行ってみたらやっぱり円の外側で
どうなっているのか聞けないわたしはいくじなしである。
あの年、
あの日、
もうすぐ春になろうかというあの日、
わたしのスイッチを押したせいだ。